言語を学習している皆さんは「母語」と「母国語」という二つの言葉をよく耳にすることがあると思います。混同されて使われがちな二語ですが、この二つの言葉は似ているようで意味が違います。みなさんはこの2語の違いがわかりますか?
「母語」とは
母語とは生まれてから一定期間その言語が使用されている環境の中で育ち、その言語に触れることなどによって、特別に誰かから教えられたりしなくても、自然に無意識に獲得した言語のことです。
「母国語」とは
「母国語」とは、母国で公用語として定められている言語のことをいいます。日本人では、母国語と母語が同じというケースが多いのですが、英語が公用語の国で家庭内ではフランス語を使っている場合などのように、母国語と家庭内言語が違う場合や、国の公用語と地域の言語が異なる場合など、母語と母国語が異なるケースも存在します。
国際化が進む日本では
日本に定住する外国人が増えている今、日本に住んでいても家庭内言語が日本語以外というケースが徐々に増えてきているようです。そのような家庭で育った子供は、日本出身であっても母語が日本語以外の言語であることが考えられます。「日本出身だから母語は日本語」という人が急激に減るとは考えにくいですが、将来的には日本が多言語社会になっていく可能性は十分にあるでしょう。
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